テニスの試合のために戦略や戦術を勉強しようと思い、テニス関係の本を色々物色したところ、『テニス丸ごと一冊戦略と戦術』。
期待以上に良かったです。
『テニス丸ごと一冊戦略と戦術』の著者は、堀内昌一氏。堀内昌一氏は亜細亜大学教授でテニス部監督(第1版発行当時)。選手時代にはジャパンオープンにも出場したことがあるとのこと。
題名どおり、打ち方などの技術やメンタルの話はほとんど出てきません。
戦略と戦術にほぼ特化したテニス本となっています。
戦術・戦略にある根本的な考え方は、間と場。時間を上手く使いスペースを確保したり埋めること。
確かに、自分のコートのオープンスペースを埋めておかないとオープンスペースにボールを打たれてボールに追いつくのに時間の余裕を失い、時間がボールを打つまでの時間に余裕がないとミスに繋がります。
逆に、相手のコートにオープンスペースを生み出させると、相手の時間を奪い、エースが決まったり相手のミスを誘うことができます。
そのために、コートの平面ではなく空間の使い方、緩急のつけ方、ボールの回転、ポジショニングの技術、センターセオリー、クロスストレートセオリーなど、テニスの試合において役に立つ戦略・戦術が散りばめられてました。
本書の中では、テニスプレーヤーはサッカー選手のゴールキーパーとフォワードの2役をこなすというのが刺さりました。
自分のコート(ゴール)を守りつつ、相手のコートを攻める(ポイントを獲る)ということ。
守備と攻撃のバランスが必要ということですね。当たり前ですが、試合中は忘れてしまいがち。
また、相手コートのどこを狙うべきかというのも覚えておきたいところ。
プロは常にラインぎりぎりを狙って打っているわけではなく、サイドラインの内側約1m、ベースラインの内側約1.5mを狙っているそうです。通常のストロークの際の狙いどころを、この辺りにしておくことで、グッとミスが減りそうです。
また、センターセオリーの有効性も忘れないようにしておこう。
シングル戦ではクロスが基本かと思ってましたが、センターセオリーも覚えておくと試合を有利に運べそうです。
試合の勝因はテニス技術的な要因もありますが、実は戦略や戦術なども大きな要因を占めます。試合では、明らかに技術的には上に見えるプレーヤーが技術的には下に見えるプレーヤーに負けてしまうことがよくあります。
それは、やはりテニスの戦略・戦術の差にあるのでしょう。
また、戦略・戦術を知っておくことで、試合中精神的にも有利に戦えると思います。
試合前や試合後に『テニス丸ごと一冊戦略と戦術1』を読んでおくことで、試合の勝率も上がることでしょう。
Amazonのレビューも見てみると、やっぱり高い評価が多かったです。
すでに基本的なテニスの試合運びや戦術を習得している上級プレーヤーには参考にはならないかもしれませんが、これからテニスの試合に出てみようという人や戦い方を知らないため試合でなかなか勝てない人、今のテニスの技術で勝率を上げたい人に最適な本だと思います。
『テニス丸ごと一冊戦略と戦術2』も読んでみよう!
【テニス丸ごと一冊戦略と戦術1】
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